命がけの駆け引き
もし「○○屋の旦那は、○○太夫にふられた」なんて噂がたったら経済力は疑われるし、ヤボのレッテルを貼られるんだから、お客も真剣。
おとなのオトコとオンナの優雅なかけひきは、実は命がけだったんです。
たとえば、芸者、かむろ、女中衆がズラリと居ならぶ席で、お客があやうく恥をかきそうになったら……。
「このあいだ奈良に行って、はじめて鹿の鳴き声を聞いたよ」と旦那がおっしゃる。
ところが鹿が鳴くなんて話は遊廓の女は誰もしらない。
ひょっとして旦那は何かほかの動物の声を聞き違えたんじゃないかしらと座が気まずくなっちゃった。
そこでおいらんは機転をきかせ、百人一首の中には「おくやまにもみち踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋はかなしき」という歌があるから、と女中たちに教えてやる。
「あなたたちは、百人一首も知らなかったの?」―と。
おいらんだって鹿が鳴くかどうかはわからないけど、ほくろ レーザー 治療たけじゃなくて、ちょっとした「教養」があれば、お客に恥をかかせずにすむわけ。